研究会とコミュニケーション能力と
研究室に入って2ヶ月、うちの研究室では月に一度研究会というその一月の間に研究したことなどを報告しあう会がある。
研究会ではワードとパワポで発表資料を作るのだが、フォントを統一したり図番号を付けたり、出典を明示するなど体裁を守るのはもちろん、ちゃんとした文章を書くのも意外と難しくて、学術的な説明をしようとすると自分の頭ではなんとなくイメージできても他人が読むと主従関係がおかしくなっていたりすることはしばしば、グラフひとつ取ってもマーカーの指定や適切なグラフ選びもまた難しい。
他にはパワポで図を見せるのに四角やら丸やら矢印やらを駆使して図を作る必要があるが、簡単な図を作るのにも意外に手間暇がかかる。
そして、なんとか資料を作っていざ発表してみるとそれほどお堅い場所でもなくとも意外と緊張するもので、考えていた言い回しとは違った説明をしてしまって上手く伝えられないこともしばしば。
さらに、発表終わりには学生と教授が質問をもらうのだが、意外な質問をされると答えになっていないような回答をしてしまう。
文字に起こしてみると矛盾した会話でも実際に話しているとその矛盾に気付きにくくなる。
こういうことは日常会話ではよくあることで、そういった所では誰も気にはしないが、研究会などのちゃんとした場所ではそれでは困ったことになる。
そのため、ちゃんと聞いてちゃんと話すというのは当たり前のようで意外と難しく、重要なことだ。ということを毎回感じながら研究会をこなしている。
自分は大学院に行くのでまだ就活はしていないが、コミュニケーション能力というのが就活で重要だと誰しもが言う。
しかし、そうは言うもののいまいちどういった能力か判然としないのがコミュニケーション能力というものだ。
よく友達が一杯いてわいわいしている人をコミュ力高いなーと言うが、そういう人は必ずしも話が上手いという訳ではなく、ノリが良いとか面倒見が良いといった人付き合いが良くできる人ということである方が多いように思う。
確かに社内の円滑な人間関係を築くのには大切な能力だが、それを面接で計るのは難しいもので、就活で必要とされるコミュニケーション能力というのとは違うだろう。
就活をしていた人の話を聞くとよく言う自分をものに例えるとなんですかというような変わった質問はあまりなく、エントリーシートに書いてあるような志望理由やアピールポイント、学生時代に頑張ったことなどスタンダードな質問が基本になるそうで、質問に対して論理的に根拠をもって答えられるかどうかというのが重要だという。
こういう能力は冒頭で述べたように研究会といったしっかりした場で発表することで培うことができるのではないだろうか。
そもそもの話題作りにはバイトやサークル、留学、資格勉強などをしないことには始まらないが
その頑張りをちゃんと相手に伝えることが出来なければ、やっていないのと変わりないということになってしまうので
話題作りばかりをするのではなく、正しい根拠を示し、正しい言葉で自分の考えを相手に伝えるという当たり前のようで難しい能力を研究会などを通して培うことも大切なことだ。